1/11ページ目 気に入らないその目が。 まるで野良犬だ。ギラギラしてて、飢えているくせになつこうとしない。 カジノ船、パラディー。ここで働く者は、一条から見てみんなクズだった。 どうしようもない借金を背負い、拉致られ船に乗せられた。スキルのない者、多額の借金を背負う者は、バニーとして客を慰める。 クズ。クズ……! 体も命も自由さえ縛られた帝愛の奴隷。 自分とは違うのだ。 一条は這い上がってきた。小さなカジノの掃除係から店長、カジノの店長からこの天国のフロアマスターに。 『伊藤カイジ……破産!!!』 ここでもまた帝愛の奴隷が生まれた。 パラディーで勝てば借金チャラという、馬鹿げた嘘に釣られ、よくあるパターンだ。 「イカサマだ……イカサマ……」 そう、イカサマだ。だがカイジは負けたのだ。 睨んでいる。一条を。だが睨むだけで人は殺せない。 たくさんの黒服に引っ張られ、カイジは別室に連れていかれた。 若いのに、哀れなことだ。一条はうわべだけ同情した。 この船に乗ったからには、もう降りられない。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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