1/15ページ目 気がつけばカイジは楽園、カジノ船、パラディーにいた。 借金……借金……。 多額な負債を追わされたカイジは拉致され、放り込まれた。楽園と言う名の地獄。 給料の3/2は借金の返済に宛がわれ、手元に来るのは雀の涙。 船から降りるには、たとえ1日でも外出券、100万円が必要だ。 100万なんか貯まるわけがない。生きてるだけでも金がかかる……! 帝愛はキッチリと取っていく。金を、精神を、命を。カイジの借金返済まであと2000万。 喧騒、チップ、ネオン。匂い。パラディー内はすべてが濃厚だ。 「21番」 呼ばれたカイジは客を見上げる。今時珍しい、真っ白い粉を顔に塗りたくった、中華系の熟女だった。 妖怪という呼び名が相応しい化粧に、まったくと言っていいほど考えなしの負けっぷりに、噂になってる女だ。 数日前からよく、カイジのテーブルについていた。 「何かご用ですか? お客様」 ゲーム中もチラチラとこちらを舐めるように見ていた。 努めて冷静に、片手のお盆を両手に持ちかえる。 「ルームキーよ」 ざわ……。 客が従業員にルームキーを渡すのはチップで従業員を買った時だ。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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