カイジ

スペードの女王
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気がつけばカイジは楽園、カジノ船、パラディーにいた。
借金……借金……。
多額な負債を追わされたカイジは拉致され、放り込まれた。楽園と言う名の地獄。
給料の3/2は借金の返済に宛がわれ、手元に来るのは雀の涙。

船から降りるには、たとえ1日でも外出券、100万円が必要だ。
100万なんか貯まるわけがない。生きてるだけでも金がかかる……!
帝愛はキッチリと取っていく。金を、精神を、命を。カイジの借金返済まであと2000万。




喧騒、チップ、ネオン。匂い。パラディー内はすべてが濃厚だ。

「21番」

呼ばれたカイジは客を見上げる。今時珍しい、真っ白い粉を顔に塗りたくった、中華系の熟女だった。
妖怪という呼び名が相応しい化粧に、まったくと言っていいほど考えなしの負けっぷりに、噂になってる女だ。
数日前からよく、カイジのテーブルについていた。

「何かご用ですか? お客様」

ゲーム中もチラチラとこちらを舐めるように見ていた。
努めて冷静に、片手のお盆を両手に持ちかえる。

「ルームキーよ」

ざわ……。

客が従業員にルームキーを渡すのはチップで従業員を買った時だ。

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