カイジ

ギャンブルスクール
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チャイムは鳴りはじめていた。

(ヤバい……!)

今日だけは遅刻できない。
あと一回の遅刻で、便所掃除にグラウンド10周の罰がかせられるのだ。
笑う風紀委員、一条が脳裏に浮かびカイジは全速力で駆けた。

(間に合えよ……!)

風のように駆け、ポーンと工事中の看板を飛び越える。
見慣れた校門が見えてきた。

「20、19、18……」
いつものように、一条がストップウォッチ片手に校門に立っている。

「10、9、8」

ガラガラと校門が閉まっていく。
息を切らしたカイジが目の前に現れ、一条は残念そうに眉を寄せる。

「どうだ、一条!」
「チッ……間に合ったか。さっさと入れ」

ニヤリと勝ち誇り、校門を抜けようとする。

「おい、待て、転校生」

カイジは振り向く。校門には目にも鮮やかな白髪の生徒が立っていた。
どこかで見た気がして、カイジは生徒をすかし見る。

「何だ、お前その髪……」
「アカギ! アカギじゃねぇか!」
「……」
「ほら、オレだよ! 小学生の時一緒だった!」
「へぇー。お前、転校してきたのかぁ」

まさか同じ学校にきていたとは。
アカギは近所の幼なじみだった。カイジにとって唯一の親友だ。
しかしアカギは唐突に消えた。中学を境にカイジの前から去った。
思い出の中でアカギは小学生の姿で止まっている。


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