1/10ページ目 (ヤバい……!) 今日だけは遅刻できない。 あと一回の遅刻で、便所掃除にグラウンド10周の罰がかせられるのだ。 笑う風紀委員、一条が脳裏に浮かびカイジは全速力で駆けた。 (間に合えよ……!) 風のように駆け、ポーンと工事中の看板を飛び越える。 見慣れた校門が見えてきた。 「20、19、18……」 いつものように、一条がストップウォッチ片手に校門に立っている。 「10、9、8」 ガラガラと校門が閉まっていく。 息を切らしたカイジが目の前に現れ、一条は残念そうに眉を寄せる。 「どうだ、一条!」 「チッ……間に合ったか。さっさと入れ」 ニヤリと勝ち誇り、校門を抜けようとする。 「おい、待て、転校生」 カイジは振り向く。校門には目にも鮮やかな白髪の生徒が立っていた。 どこかで見た気がして、カイジは生徒をすかし見る。 「何だ、お前その髪……」 「アカギ! アカギじゃねぇか!」 「……」 「ほら、オレだよ! 小学生の時一緒だった!」 「へぇー。お前、転校してきたのかぁ」 まさか同じ学校にきていたとは。 アカギは近所の幼なじみだった。カイジにとって唯一の親友だ。 しかしアカギは唐突に消えた。中学を境にカイジの前から去った。 思い出の中でアカギは小学生の姿で止まっている。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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