1/3ページ目 和也の本が、棚にはズラッと並んでいる。 本を取り、パラパラとページを捲ってみると、中身は似たようなものばかりだった。 ノワール、ピカレスク、グロテスク、ヤクザ。内容は少し違うが、これらには一貫したテーマがあった。 いわく、『愛なんて超くだらないです』 読んでるだけで鬱になってきたカイジは、ため息をついて本を閉じた。 $ 「いや〜、さすが先生。今作も素晴らしいですねぇ!」 担当はさっきからおべっかしか言わない。かれこれ15分もたつ。 (つまんねーやつ) 和也の周りにはこのつまんねぇやつばっかりだが。 「なぁ、もういいだろ? こっちら人待たせてんだよ」 手首のロレックスを指さすと、担当は慌てて席を立つ。 「あぁ、お時間を取らせて、すいませんでした先生! 次回もまたウチでお願いします!」 テンプレ通りのおべっか、別れの挨拶。 (本当につまんねぇやつだな) 約束の時間は20分オーバーしていた。 (これはもう、カイジ待ってねーな……) あ〜あ。 せっかく約束をとりつけたのに……。 喋るのさえ嫌がるのに、カイジと約束なんて滅多にないんだぞ。 (あの担当め……今度会ったらタダじゃおかね…………) 「遅いぞ……!」 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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