カイジ

銃弾と雨
1/10ページ目



20XX年。
賭博法改正。
すべてのギャンブルは、政府の管理下に置かれることになった。



雨が斜めに降っている。冷たい雨粒が体を切っていく。
銃口はカイジの左胸にかっちり固定されていた。
逃げ場はない。

周りは都会の一部を切り開いたかのような、何もないビルの屋上だった。

細く白い吐息が漏れる。
思えば今日は朝からついていなかった。靴ひもは切れるし、朝飯を食ったら腹は壊すし、天気予報は外れるし。

ついに来たのだ。
帝愛の暗殺者が……!
暗殺者。普通なら冗談にしか聞こえない言葉だが、目の前の男はそうとしか思えない。
この冷たい目……。間違いない。
雨に濡れた白髪、黒いロングコート、手には銃。
まるで洋画の中から出てきたみたいだ。

「……金なら返さねぇぞ」

帝愛相手に勝負をするも勝敗は五割五分。
カイジの借金は増えるばかりだった。
業を煮やした帝愛が、カイジを殺して保険金を取ろうと、暗殺者を送りこんできたに違いない。


なんて卑怯……!
人間の風上にも置けない。

(兵藤……!!アイツを倒さずに、こんな所で殺されるわけにはいかねぇ……!!)

ビルの縁を抱きつかむ。下を見ないようにすぐさま顔をそむけて暗殺者を睨んだ。

「それ以上近寄るな!! 飛び降りるぞ!」
「へぇ……?」

暗殺者が初めて興味を示したように笑った。

「自殺なら保険金が出ないだろう? オレに自殺されちゃ困るんじゃないのか?」
「あんたに、飛び降りる勇気があるとは思えない」
「……!馬鹿にするな……! オレだって」

下を見ると、思った以上に高い。
目が眩んだ。

[指定ページを開く]

次n→ 

<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw

[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ