1/7ページ目 特別調査部に入ってからというもの、カイジに安息の日はなかった。昼は勉強に、実技に鍛錬、夜はギャンブル。 アカギは鬼教官そのもので、カイジがミスると、厳しい体罰が待っていた。 目蓋の上にタバスコを塗られたり、容赦ない平手だったり、涙を見せる日も多かった。 ひぃ、ふぅ……みい。 デスクに置いた金は何枚数えても3枚しかなかった。 500円玉1枚、100円玉2枚。 合計700円。 給料日まで2週間、700円で過ごすには……。 1日50円。 クソッ……詰んだ!! カイジは頭を抱える。 「ちくしょう……あそこでアカギに勝ってれば……!」 アカギは、『教習』のギャンブルでもカイジから容赦なく搾り取ってきた。 負け続けて、とうとうこのままじゃ寮代も払えない有り様になっていた。 こうなったらもう、アレしかないっ……! なりふり構ってられるか……! 「一条!!!」 「班長と呼べ」 壁際の一番でかいデスクに、一条は陣取っていた。 カイジは立ち上がり、特調のボス、一条を睨みつけた。 そして勢いよく頭を下げる。 「お金貸してください……!」 「ダメだ」 さすが一条……。有無を言わさない断り方だ。 が、ここで引き下がってられない。 ここはプライドを捨てろ!! カイジ、無駄に覚醒……! 「そこを何とか!」「ダメったら、ダメです」 「まったく……また負けたのか? 進歩のないやつですね」 こちらとて、ここまで金がなくなったのは計算外だ。 アカギのギャンブルの強さは底なし。 最近それがようやくわかった。 「……うっ、一条〜〜」 「泣いてもダメです! 金がないのに賭ける、お前が悪いんでしょう?!」 確かにそうだ。 だが、気づくと賭けている。 多分、ギャンブルをしてる時のアカギの目にでもイカれてるんだろう。 (あぁ……、何言ってんだか、オレは……) <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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