1/21ページ目 その日は試験の順位発表で、カイジのような成績のパッとしない生徒は、どこかしら日陰を歩くような心地になるものだった。 「はぁあ……」 ホームルームさえかったるい。 成績のよくない、帝愛に反抗的な生徒が集められたクラスの面々は、みな一様に葬式面をしていた。 いや、唯一元気なのがいる。 隣のコイツ……。 「カイジくん、今日は試験の順位発表ですね」 言わなくてもわかってる。いちいち思い出させるなよ。 「『オレ』が忙しい時間の合間を縫って、わざわざカイジくんの勉強に付き合ってあげたんですよ? まさか平均点以下ってことは……」 台詞が進むごとに冷たさを帯びてきた一条の笑顔が恐ろしい。 逃げようと椅子を引くと、古畑が教室の扉を開けて入ってきた。 「おい、テストの順位が張り出されたぞ!」 クラスメイトたちは席を立ち、慌てて教室を出ていく。 急いで結果を見に行って何になる? 結果が逃げるわけでもなし……慌てる必要はないんだ。 人が引いた放課後にでも見に行けばいい。 そうだ。結果のことは忘れろ……! それが今日1日楽しく過ごせるコツ……。それが勝ちへの道………! 「何現実逃避してる。さっさと行くぞ」「あいたたっ………耳を引っ張るな!」 結局、一条に連れてこられてしまった。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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