1/5ページ目 「……涼しい」 御堂は広く、外とは違ったひんやりとした氣があった。 大きな仏像の前に倒れると、涼しげなお経が流れてきた。 尚雲が手に数珠を持ってお経を唱えていた。 尚雲の経は好きだ。 聴いているととても落ち着く。外は灼熱地獄だというのに、ここだけ別世界にいるような涼しさと静さで、気持ちがいい。 「師匠、眠ってしまったのか?」 このまま、まどろみの中でうとうとしていたかった。 ふと、何か重みを感じた。続いて軽い吐息が顔にかかる。 羽根のような軽い感触が唇に。 「……?」 「こんな所で寝ると風邪をひくぞ、師匠」 「あ、ああ……」 口を拭うと、確かに濡れている。 しかし、尚雲の様子はいつも通りだ。 霞のように消えてしまった感触だった。 (気のせい、か……?) 「たんた〜ん、夕飯だぞー!」 龍斗は顔を上げる。 「応、今行くー!」 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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