1/6ﾍﾟｰｼﾞ目 緋勇龍斗は変な野郎だ。 まずいけすかない。鋭い氣を覗かせたと思ったら、ぼけーっとしてやがる。 なかなか強いのに、滅多なことでは闘わない。 そして俺に対する態度。ぽんぽんと、まるで蹴鞠のように蹴ってくる。 何でこいつが鬼道衆に……。 というか何で俺と相部屋なんだよ！！ 「風祭、どこで寝る？」 「……緋勇、俺はてめぇを認めたわけじゃないからな！」 「じゃあ、かざかざは押入な」 「だ……誰がかざかざだ！ 何がじゃあだ！押入で寝ねぇよ！」 「かざかざなら、小さいからあそこの箪笥にも入りそうだな」 こ、この野郎。 てめぇを箪笥に押し込んでやろうか。 気づくと、龍斗は布団をひいて隣に寝ていた。 怒りが蒸気のように、頭から抜けていく。 寝苦しさに目が覚めた。 熱い。何か布団が異様に重い。 ふと、目を開けてみる。 「……！！」 細身ながらも鍛えられた胸元が間近にあった。すぐ上には龍斗の涼しげな顔。 緩く抱かれていた。鼓動が近い。 （こ、こいつ。寝相悪すぎだろ……！） 頑張って手をのけようとするが、案外力が強い。 「ぬぬぬ……」 不意に龍斗が寝返りをうって、下敷きになった。 「てめぇー！！」 「……？」 流石に頬を叩くと目を覚ました。 上の龍斗が見下ろしてくる。 「風祭……？」 「……」 「……おやすみ」 龍斗はそう言って、また目を閉じた。 「だからっ、人の上で寝るんじゃねぇ～～！！」 [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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