その他

既死感/TtT
1/2ページ目

『死ぬな……死ぬなアロウン』

触れる体は冷たい。
急速に熱と血が零れていく。拾うことも戻すこともできない。

「アロウン!!!」

夜中、俺は痛いくらいの別離に目を覚ました。

冷たい汗が身体をびっしょりと濡らしている。
全身をぶるっと震わせて、あてもなく視線をさまよわせた。
部屋は静けさに包まれている。抱きしめた冷たい身体は目の前にはない。


……夢か。
夢にしてはリアルだった。アロウンが死ぬ、アロウンが死んでしまう夢。

「……」

寝台を離れ、ドアを開けた。静かな廊下を抜け、アロウンの部屋の扉を叩いた。
「アロウン!アロウン!」

しばらくして寝ぼけ眼のアロウンが出てきた。
「どうしたアルサル……。こんな夜中に、うるさいぞ」
「……」

何も言わずにアロウンに抱きつく。
確かに生きている。あたたかい。

「……寝ぼけてるのか?お前」
「脱げ」
「はぁ?」
「いいから脱げ!」
「おい!」

無理矢理脱がして胸をあらためる。
傷があった。まだ真新しい。己の罪が、確かにアロウンの体に刻まれている。
そっとそれに唇を寄せる。癒すように舐めた。

「アルサル?!」

傷を触ればまだ痛むのか、アロウンは腰を曲げた。
そのままそこに押し倒した。


[指定ページを開く]

次n→ 

<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ