1/4ページ目 シグがちょっと交易してくる、と言って出ていったのは30日前だ。 それから一度たりとも城に戻ってこない。 しかしこれが最初ではない。 シグは、ちょくちょく交易や仲間探しなどで長期に渡って城をあけている。 世界は広いし、行くだけでも時間はかかる。 仲間が増えるのは良いことだ。 ついでに体を鍛えるのも悪いことではない。 ……なのに何故俺はイライラしてるんだ? ロベルトは闇雲に剣を振る。 最近鍛練ばかりしている。鍛練というかストレス発散に近かった。 「たかが30日じゃないか」 ロベルトは剣を真横に振る。 それでもシグの顔は目の前から消えてくれない。 自分がいなくてシグは平気だろうか。怪我はしてないか。 また変な物でも食べているかもしれない。 「お、お前のことなんか、全然心配してないんだからな!!」 「は?」 いつの間にか目の前にクロデギルドがいた。 ロベルトの顔が一気に青くなる。 「姫様!!」 「お前の気持ちはよくわかった」 クロデギルドは腰の名剣のような、冷たい表情をしていた。 「ち、違うんです、姫様!!」 床に手をついて謝るも、クロデギルドはすでに背を向けていた。 まだロベルトは背後でブツブツと呟いている。 あれではまともに鍛練ができるはずもない。 「まったく、空気が抜けた風船のようだな」 クロデギルドは訓練場を後にした。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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