1/6ページ目 ザフラーに名指しで呼ばれ、嫌な予感がしたのだ。 ちょっとした薬の副作用のテスト、という依頼だった。 今思えば断っておけばよかったんだ……。 「いいかね、ロベルト君。私は万能医師を目指している。ボーパスから人間まで、ありとあらゆる病を治したいのだ!」 「はぁ……」 医務室に来るなり、ザフラーの熱弁がはじまり、ロベルトは早くも嫌気がさしてきた。 「昨今では、心的外傷という精神の病が確認されている。 例えば、ショッキングなことを見てしまい、一時的に喋れなくなってしまう子供など、そう言ったものだ」 長い。 三行でまとめてくれ。 大体、今の話は依頼に関係あるのか? どんな薬なんだと聞いてから、ザフラーの長い熱弁が始まったが、中々薬の内容に触れようとしない。 「私はそんな精神の病を今、研究中なのだ。しかし、人の精神は奥が深い。体の比ではない」 窓の外から明るい午後の光が入ってくる。 こんなことなら畑に出た方がマシだった。 「君は鬼焼きモロコシを知ってるかね?」 いきなり変なことを問われ、ロベルトは顔をしかめた。 「食べると怒りっぽくなるという、アレか」 前に食べたことがあるが、あまり覚えていない。 団員が言うには、自分の複雑な鎧の紋様に延々と文句をつけていたらしい。 思い出しくない。 「そうだ。一時的に人を興奮させやすくなる。それが薬でもできるんじゃないかと思ってね」 ロベルトは席をたった。 「冗談じゃない。そんな薬誰が飲むか!」 「いや、飲まなくていいんだよ。ユーニス君」 「はい、先生」 気づくとユーニスにがっしりと、後ろから押さえつけられていた。 たかが看護婦、と思い油断していたらしい。 暴れるが、暴れる患者に馴れてるのかユーニスは振りほどけない。 「くっ……お前も戦闘メンバーになった方がいいんじゃないのか?!」 「痛くないでちゅよ〜」 注射器がかかげられ、そでを素早くまくられた。 「安心したまえ、ロベルト君。これは興奮薬ではない」 ぶすりと針が腕に入り、眉を寄せた。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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