1/5ページ目 その正直な瞳が己を射抜くたびに、心音がひとつ早くなる。 正直、うざったい。泡のように消えてしまえば、オレは自由になれるのに。 「アカギ!」 オレを認めた途端に、子犬のようにとんでくるその姿。 見えない尾っぽが見えるようだ。 「お手」 カイジは差し出したアカギの手に、自分の手を重ねた。 「って何やらすんだよ!」 「ククク……」 いっそ首輪でもつけようか。首輪をつけたら、今どこにいると煩わしい心配もしなくてすむだろう。 犬のようにおざなりに頭を撫でると、カイジは頭を振って嫌がる。 野良犬だな、これは。 「で……何です、ポチ」 「ポチじゃねぇよ! お前さ、腕相撲しないか」 「腕相撲?」 「あと一勝で十人抜きなんだよ。やろうぜ」 自信満々に腕まくりをして、意気込むカイジ。 カチンときた。 それは、いいカモを探してたってことか? オレが、カイジさんに負けると。 ふーん、なるほど。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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