1/5ページ目 「暑い」 「あっちぃ……」 「あっつ〜〜」 それは8月の真ん中を切って貼ったような初夏だった。 教室の中、生徒たちは夏に負けそうだった。 口を開けば暑いとばかりで、さっさとKOされて、凍ったタオルでも投げ入れてもらった方がマシだと、カイジは思い始めていた。 「暑い……」 「暑いな……」 「……」 これじゃあ、話がすすまない。 「ぁあ、もう!どっか涼しいとこはねぇのか!」 「クーラーがついてるのは、職員室だけです……」 三好がパタパタ下敷きで風を動かす。それでやっと風が動いた。 「ちくしょう……。教師ばっか楽しやがって。この中、何度だと思ってんだ。35度だぞ、35度」 「オレの平熱と一緒ですね」 「そうそう。アカギの平熱と一緒……って、お前低いな平熱!!」 ふと、アカギの側は冷たそうな感じがして、二の腕を触った。 「冷たいな、アカギの二の腕」 「本当だ♪」 安藤がもう片方の二の腕に触れていた。 「死ね」 アカギはゲシゲシと安藤の腹を蹴る。 「オレはいいの?」 「……いいですよ」 アカギに腕を取られたので、しばらくそのままでいる。 それを見た一条はゲンナリする。 「お前らのせいで体感温度が上がってるんだよ……」 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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