22番目の男 -ゲーム開始-
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談話室にカイジはいなかった。
確かにカイジは談話室で談話をするようなタイプじゃないけど。勿論、怪談や漫談をするタイプでもない。

二人の間で何か行き違いがあると、カイジは必ずここで膝を抱えていた。
自分を待っていたのかと言えば、そんなんじゃないと小声で寄越してくる。


ソファーの定位置には、佐原しかいなかった。それだけのことなのに、アカギは動揺していた。
ソファーに座って肘をつく。


アカギはチラッと佐原を見る。
カイジをゲームに誘いに行け……そう念じても、相手には伝わらない。テレビにご執心だ。

今日ぐらいに謝ってくると思ったが……。あてが外れた。

あの視線が近くになくてホッとしているのに、この胸の空虚は一体何なんだ?

テレビを見てるふりをして、しばらくボーっとする。

『今年も始まりました、24時間テレビ。帝愛は地球を救う』
「よっ!待ってました!」
『総合司会の西尾です。よろしくお願いします』
「西尾アナきた!よろしくお願いします!」

うるさい。テレビと会話はやめろ……。

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