1/12ページ目 談話室にカイジはいなかった。 確かにカイジは談話室で談話をするようなタイプじゃないけど。勿論、怪談や漫談をするタイプでもない。 二人の間で何か行き違いがあると、カイジは必ずここで膝を抱えていた。 自分を待っていたのかと言えば、そんなんじゃないと小声で寄越してくる。 ソファーの定位置には、佐原しかいなかった。それだけのことなのに、アカギは動揺していた。 ソファーに座って肘をつく。 アカギはチラッと佐原を見る。 カイジをゲームに誘いに行け……そう念じても、相手には伝わらない。テレビにご執心だ。 今日ぐらいに謝ってくると思ったが……。あてが外れた。 あの視線が近くになくてホッとしているのに、この胸の空虚は一体何なんだ? テレビを見てるふりをして、しばらくボーっとする。 『今年も始まりました、24時間テレビ。帝愛は地球を救う』 「よっ!待ってました!」 『総合司会の西尾です。よろしくお願いします』 「西尾アナきた!よろしくお願いします!」 うるさい。テレビと会話はやめろ……。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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