1/4ページ目 「カイジくん?」 雑踏の中、呼び止められたオレは、振り返る。 懐かしい声。この声は、オレをあの場所へと連れて行く。 「西尾……さん」 ニット帽にサングラス、このいでたちでよく自分だとわかったものだ。 少し、変装を見直さないといけないかもしれない。 対して西尾の格好は華やかだった。 お洒落して、綺麗に化粧して……少し、綺麗になったかもしれない。 まるで違う。 住む世界が。 西尾が正視できなかった。 「あの後大変だったんだよ。二人とも辞めちゃって」 「………」 バイトの時はいつも西尾から話しかけてきた。 それを見て、アイツはいつも話を割って入ってきて………。 「佐原くんね、連絡がつかないの」 「!」 ドキリとした。心臓を直で触られたような。 心の準備も中途半端で、ただ呆然と立っていることしかできなかった。 西尾の開いた携帯には、あの日撮った写真が写っていた。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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