第四ゲーム 0の扉
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「ちょっとみんな、聞いてくれ」

HRの時間、帰り支度に追われる生徒たちの視線が教壇の教師に向かう。

「今度のイベントで、うちの宇海が企画をやることになった」

しゅんと教室が静まり返る。
とうの本人も、初めて聞いた話に驚くしかなかった。

「何で宇海が……?」
「零」
「ハイハイ、静かに。これはとても名誉なことだ。そうそうないからな、学生が兵藤主催のゲームを任されるなんて」

名誉……?
とてもそうは思えない。勲章ものだとしても、それを胸につける気は、零にはなかった。

「うまくいけば、出世道驀進だ。よかったな、宇海」
「おめでとう」
「おめでとう」

まばらな拍手。

「ちょっと待ってください……!誰もやるなんて……!」
「零……。お前はオレたちのヒーローなんだからよ、頑張ってくれよ。早く出世して、オレたちを楽させてくれよな……」

ミツル。ユウキ。ヒロシ、みんな。

クラスメートたちは全員こちらを見ていた。固い信頼。それをしっかり感じることができた。

兵藤主催のゲームなんて関わりたくない。
でもここで断ったら、出世道は閉ざされる。
何か嫌がらせをされるかもしれない。オレや、クラスメートたちに。

「オレは………」


「!!」


上着のポッケに入った携帯が震え、宇海はハッとした。
通話ボタンを押して、耳につけた。


『零ちゃ〜〜ん、困るよ〜』
「プロデューサーさん……」

24時間帝愛テレビの、番組責任者だった。名前は……忘れた。とりたて覚えておくべき名前じゃない。
きんきんした耳障りな声を受話器に放ってくる。


『まだ番組は長いんだよ? もう少しその部屋で粘ってもらわないと』
「………そうは言っても、この2人は学園でも最強……」

観察眼のアカギに、直感のカイジ。
敵にすると、こんなにもやりづらい2人だったとは。
兵藤が一目置くだけはある。


『いいから、こっちは数字が取れればいいんだよ。つべこず言わず、あの2人を瀕死になるくらいまで、追い詰めろ』

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