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気合いの入ったホステスたちが、一列に並んでいる。
ターゲットは目の前。風は東南。天気良好。って言っても、ここは店の中だけど……。

「いいかいみんな、あの不感症をオトすのが、目標だ。あんたたちは一人前のホステスだ、できるね?!」
「はいっ!」

「じゃあまず、最初に紫音」

紫音は貴族のような優雅な動作で、あたしたちの目標、カイジに近づく。

「こんにちは」
「どうも……」

ボーイの仕事中、カイジはまた机を拭く作業に戻ってしまう。

「今日はいい天気ね」
「明日もいい天気かしら?」
「さぁ……?」
「そこまでっ!」


さっきまで自信満々だった紫音が、しおれて戻ってきた。

「天気の話なんて、どうでもいいんだよ! 会話すらできてないじゃないか!それでもナンバー2かい?!」
「だってぇ〜」
「だってじゃない! 5点!」

「今度はあたしが行く!」

手を上げたのは日鞠。小麦色の肌と金髪が目立つホステスだ。ひまわりの髪飾りが頭に刺さってる。

「紫音さん甘いよ。ああいう朴念仁には、力押しじゃないとね!」

そう言って日鞠はカイジに向かって走り出す。あのままじゃ、ぶつかってしまう。勢いを保ったまま、一直線にカイジに体当たりした。

「あぁん、ぶつかっちゃったぁ!」

わ、わざとらし〜……。それもぶつかって、きっかけを作るなんて、昔の少女漫画じゃないんだから。
「うわっ!!」

日鞠にのしかかられ、カイジの顔は真っ赤だ。

「はい、そこまで!」

レッドカードを上げママは、首から下がるホイッスルを吹いた。

「言い忘れてたけど、色仕掛けは禁止だよ!」
「ぇえ〜!」

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