1/7ページ目 気合いの入ったホステスたちが、一列に並んでいる。 ターゲットは目の前。風は東南。天気良好。って言っても、ここは店の中だけど……。 「いいかいみんな、あの不感症をオトすのが、目標だ。あんたたちは一人前のホステスだ、できるね?!」 「はいっ!」 「じゃあまず、最初に紫音」 紫音は貴族のような優雅な動作で、あたしたちの目標、カイジに近づく。 「こんにちは」 「どうも……」 ボーイの仕事中、カイジはまた机を拭く作業に戻ってしまう。 「今日はいい天気ね」 「明日もいい天気かしら?」 「さぁ……?」 「そこまでっ!」 さっきまで自信満々だった紫音が、しおれて戻ってきた。 「天気の話なんて、どうでもいいんだよ! 会話すらできてないじゃないか!それでもナンバー2かい?!」 「だってぇ〜」 「だってじゃない! 5点!」 「今度はあたしが行く!」 手を上げたのは日鞠。小麦色の肌と金髪が目立つホステスだ。ひまわりの髪飾りが頭に刺さってる。 「紫音さん甘いよ。ああいう朴念仁には、力押しじゃないとね!」 そう言って日鞠はカイジに向かって走り出す。あのままじゃ、ぶつかってしまう。勢いを保ったまま、一直線にカイジに体当たりした。 「あぁん、ぶつかっちゃったぁ!」 わ、わざとらし〜……。それもぶつかって、きっかけを作るなんて、昔の少女漫画じゃないんだから。 「うわっ!!」 日鞠にのしかかられ、カイジの顔は真っ赤だ。 「はい、そこまで!」 レッドカードを上げママは、首から下がるホイッスルを吹いた。 「言い忘れてたけど、色仕掛けは禁止だよ!」 「ぇえ〜!」 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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