第五ゲーム たゆたう絆
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虎の前で一同は睨み合う。
命を賭けた椅子取りゲームは、虎の咆哮がきっかけに始まった。

しばらく睨み合いが続くが、カイジは急に馬鹿らしくなり、戦いの席から下りた。
扉の前に立ち、色んな角度から扉を調べる。
扉を叩くと、固い感触と籠もった音がした。この厚さでは、破壊できそうにない。

「安藤、お前が乗れよ!」
「や、やめろ、触るな!」

安藤が前田を突き飛ばす。前田はバランスを崩し、床のスイッチに足を踏み入れた。
扉が開いたことに気づき、安藤は仲間を押し抜けて、真っ先に扉を抜けた。

「あいつ……!」

前田がスイッチから降りると、扉はすぐさま下に降りてしまう。
この速さではスイッチに乗った者は、扉を抜けることができずに虎と対面することになる。

「と、虎なんかアカギさんの持ってる武器で、倒せばいいだろ!」

扉越しに放った安藤の台詞にアカギは首を振った。

「手榴弾と銃はこんな所で使えない。スイッチに乗るやつには、閃光手榴弾を渡す」
「はっ……? ふざけんな!それでどうしろって言うんだ!」

前田がアカギの胸ぐらをつかんだ。

「おいっ、やめろ……! 今はそんなことしてる場合じゃないだろ……!」
「僕が行くよ……」
仲間の視線が石田に集中する。その視線を避け、石田はうつむいた。体が細かく震えていた。

「僕は………戦いで役に立ちそうもないから……。適任だと思うんだ」
「石田さん、待てよ……!」

誰かを犠牲にして先に進むなんて、それこそ帝愛と同じじゃないか。

「……どうにかならないのか」

カイジは振り返り、それに応じてアカギは噴水を指差した。

「虎は泳ぐのが苦手です。この噴水、見た所、かなり深い。 多分どこかへ繋がってるはず……それにこの匂い」
「匂い……?」
「この匂いじゃ、虎もこの中までは来ないでしょう」

カイジが噴水を覗きこむと、強い酒の匂いがした。


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