遠藤さんちのカイジくんと
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真面目にカイジのこれからのことを語ってる最中だった。
振り向くと、ヤツはそこにいなくて。

大きい椅子に小さな体をおさめていたのは、カイジをそのまま縮めたような子供だった。

「…………」

債務者にとんずらされるとは。オレも焼きが回ったもんだ。
それより、何だこのガキ。
カイジの……ガキではないよな。どこの世界に自分の借金の代わりにガキを差し出す親がいるか。

「お前……名前は」
「いとうかいじ」
「………」

カイジに弟はいない。それに、家族に同じ名前をつけるバカがいたらお目にかかりたい。

「かいじくん、一体どこから入ってきた?」

カイジはビクッとし、大きな目を揺らめかせた。
子供に好かれる顔じゃないのはわかってるが、いきなり泣くことはねぇだろう。

「おれ……ずっとここにいた」
「…………」

膝を折り曲げ、カイジ……ならぬ、かいじくんの視線と同じ高さにかがむ。
思ったよりも固い表情を歪め、苦労して笑顔を作る。

「お母さんとお父さんは?」
「……いない」

言うやいなや、かいじくんは泣きはじめた。
事務所の部下が何事かと、部屋に入ってきた。

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