1/4ページ目 真面目にカイジのこれからのことを語ってる最中だった。 振り向くと、ヤツはそこにいなくて。 大きい椅子に小さな体をおさめていたのは、カイジをそのまま縮めたような子供だった。 「…………」 債務者にとんずらされるとは。オレも焼きが回ったもんだ。 それより、何だこのガキ。 カイジの……ガキではないよな。どこの世界に自分の借金の代わりにガキを差し出す親がいるか。 「お前……名前は」 「いとうかいじ」 「………」 カイジに弟はいない。それに、家族に同じ名前をつけるバカがいたらお目にかかりたい。 「かいじくん、一体どこから入ってきた?」 カイジはビクッとし、大きな目を揺らめかせた。 子供に好かれる顔じゃないのはわかってるが、いきなり泣くことはねぇだろう。 「おれ……ずっとここにいた」 「…………」 膝を折り曲げ、カイジ……ならぬ、かいじくんの視線と同じ高さにかがむ。 思ったよりも固い表情を歪め、苦労して笑顔を作る。 「お母さんとお父さんは?」 「……いない」 言うやいなや、かいじくんは泣きはじめた。 事務所の部下が何事かと、部屋に入ってきた。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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