1/13ページ目 「そういえば、しげるはどうしてオレたちがいる場所がわかったんだ?」 アカギはあくまでもこちらの手を放さず、片手で携帯を開いて見せた。 画面を覗きこむと、完璧な三階の地図が広がっていた。 「これは……? どうやって? 誰が作ったんだ?」 画像を閉じると、そこに掲示板のやり取りがある。 掲示板の住民は、テレビ画面をキャプチャーした画像と地図を見て、迷路の穴を埋めていってるらしかった。 「迷路の中にいるオレたちは、全体像が見えませんが、テレビの前にいる視聴者は、どうなってるかが大体、わかるんですよ。 この中には監視カメラが沢山あって、それを放送で流してますからね」 キャプチャーした画像には、通路や部屋だけではなく、敵の姿が写ってるものも多い。こちらが持ってる地図には敵の位置がのってるので、合わせれば地図は埋まる。 和也城攻略スレと、掲示板のタイトルにあった。 まだ一般開放もされてない、和也城の攻略に住民たちは一生懸命になっているらしかった。 「……こいつら、一体なんのために?」 「クイズが出れば、答えを探すでしょう……?」 つまり、自己満足か。 そのためだけに、こんなことしてんのか……。 何にせよ、ネットで検索すれば誰かが答えを教えてくれる。便利な時代になったものだ。 カイジは地図を見て顔をしかめる。仲間も狭い画面を覗きこむ。 「正解の道は、機関銃やら熊やら……、鬼畜なことになってるな」 「だから、正解の道は避けます」 「避けるって……どうやってスか」 アカギは壁際へ寄った。白い壁をトントン叩く。 「ここから出口まで、最短距離で行きます」 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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