遠藤さんとカイジくんと
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またあれからやり直したっていうのに、カイジがまた不良になってしまった。
不良になるのは二回め、しかも前回よりひどい。



折れた木刀を持ち、カイジは長ランを羽織って交番の椅子にふんぞり返っていた。

「ああ、あなたがカイジくんの保護者ですか」

年老いた警官が机の向こうから話しかけてきた。調書に肘をつき、ペンでカイジをさす。

「そうです……、すみません、うちのバカ息子が……! また何かやらかしましたか」

頭を下げて、カイジの頭をむんずと掴んで一緒に下げさせた。

「いやいや、怪我人はいないわけですし……。
カイジくんがリーダーになってからは、この辺りのチーマーも大人しくなったもんですよ」
「し、しかし……」
「縄張り争いもすっかり沈静化しましてね。
いやいや、本当にカイジくんが不良でよかった」

よくねぇよ、このボケ警官が。オレの苦労を少しでも味わってみやがれ。

「胸の刺繍、カイジくんにピッタリだねぇ」
「どうも……。後輩が縫ってくれたんですけど……」

長ランの胸には、一鬼一優(いっきいちゆう)と刻まれていた。
確かに当て字としては、カイジに似合ってる。母照紗(マザーテレサ)みたいな頭の悪そうな当て字よりは幾分マシだ。

って……そうじゃねぇだろう。
背中の見事な毛並みの狼に話題が移る前に、カイジを交番から連れだした。



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