1/8ページ目 またあれからやり直したっていうのに、カイジがまた不良になってしまった。 不良になるのは二回め、しかも前回よりひどい。 折れた木刀を持ち、カイジは長ランを羽織って交番の椅子にふんぞり返っていた。 「ああ、あなたがカイジくんの保護者ですか」 年老いた警官が机の向こうから話しかけてきた。調書に肘をつき、ペンでカイジをさす。 「そうです……、すみません、うちのバカ息子が……! また何かやらかしましたか」 頭を下げて、カイジの頭をむんずと掴んで一緒に下げさせた。 「いやいや、怪我人はいないわけですし……。 カイジくんがリーダーになってからは、この辺りのチーマーも大人しくなったもんですよ」 「し、しかし……」 「縄張り争いもすっかり沈静化しましてね。 いやいや、本当にカイジくんが不良でよかった」 よくねぇよ、このボケ警官が。オレの苦労を少しでも味わってみやがれ。 「胸の刺繍、カイジくんにピッタリだねぇ」 「どうも……。後輩が縫ってくれたんですけど……」 長ランの胸には、一鬼一優(いっきいちゆう)と刻まれていた。 確かに当て字としては、カイジに似合ってる。母照紗(マザーテレサ)みたいな頭の悪そうな当て字よりは幾分マシだ。 って……そうじゃねぇだろう。 背中の見事な毛並みの狼に話題が移る前に、カイジを交番から連れだした。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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