1/4ページ目 元ホステスで色んな話を訊いた亜理沙でも、巨大な猫に喰われて死ぬなんて話訊いたことがない。 何故ここへ来てしまったのか、何故こんな状況になるのか、亜理沙は混乱して頭が真っ白になった。 何をすればいいのか、わからない。 一体ここはどこで、私は何故ここにいるの? 一歩も動けず、後ろのドアに貼りついていた。 猫が合間を縮めてきて、後少し。生臭い息がふゎっと体にかかる。 (そうだ……カイジ!) あのよくわからない男が言ったことを思い出す。 ドアノブに乗った途端、猫の太い足が亜理沙のいた空間を切る。 信用してるわけじゃない。 お互いの利害が一致してるから、利用してるだけ。 亜理沙は鍵を回し、ドアを体当たりで開けた。 「………!!」 隣の部屋にはカイジはいなかった。 すっからかんだ。 「ぁ……!」 突進からの、猫パンチを寸での所でかわす。 布が裂け、胸をジワリと血が濡らした。胸から流れでた血は足元にぽたりと落ちていく。 この痛みには覚えがあった。 心ごと軋む、胸を裂く痛み。 『亜理沙のB……』 「くっ………」 カイジ、達也クン。 どうして裏切ったの。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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