twin scar
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この船のホールマスターになってから、思い通りにならなかったことなどない。誰もが一条にかしずき、頭を垂れる。

いわば王だ。
その王に、どうして奴隷が逆らう?

「いいか? カイジくん。これが先々月からのディラーたちの売上だ」

一条はかれこれ30分もカイジに説教してた。
が、まだまだ言いたいことは山のようにある。

「これが……?」

(これがじゃねぇよ……このバカ!)

「わからないですか?カイジくん」

笑顔だがぴきぴきと顔の肉は引きつっている。

「お前の売上が一番悪いんだよ!!」
「ぁあ……」
「ぁあじゃない!! 常連客もパトロンも作らないでどうする!」
「どうするっても……。まぁなるように……」
「お前なぁ……。この船に役立たずはいらないんだよ!」
「そうッスか」

期待していた言葉と正反対で、カッとなった。髪を引っ張り、壁に頭を叩きつけた。

「生意気なんだよ!」

こいつだけだ。この船で自分に従わないのは。

「で? どうすれば満足するんだ?」
「……」

トイレ掃除一週間。あとは……。

「靴を舐めろ」
「……」


いつもの仕置きよりだいぶ軽いペナルティーだが、屈辱的な行為には違いない。
一条はソファーに腰を下ろし、腕と足を組み、靴を突き出した。
カイジは犬のように這いつくばり、ぺろりと靴を舐めた。
「!!」

感触など皆無に近いのに、背筋がぞくりとした。
カイジは丹念に靴を舐めていく。
足を手に取り、カイジは甲の部分を舐める。
強い瞳と会った。

(うっ……///)
「もういい!!」
「……?」
「もういいって言ってるでしょう!」

バシンとカイジの頬を叩いた。

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