1/19ページ目 アカギと一緒の下校中、カイジは鞄からスーパーのチラシを取りだした。 アカギはそれを横目に声をかけた。 「またおばさんの手伝い?」 「ああ」 学生寮の食事を作るおばさんはかなりの高齢だ。 おばさんを見かねてカイジはたまに買いだしを手伝っていた。 チラシに丸がついてるのはおばさんの受け入りなのか、こなれた物だ。 「北区に新しいスーパーができたらしいんだ。行ってみようぜ」 「……北区」 区の名前がでるとアカギが詰まる。北区は一区とも呼ばれ、地下街の外れにある。 外と地下を隔てる門と壁があり、24時間軍が常駐してる物騒な地域だ。 「ああ、そういえばお前の中学はあっちだっけ」 できればアカギは北区には近寄りたくなかった。 しかしカイジが行くならついて行くべきだ。黒服や信者たちに遭遇する場合もある。 「わかりました。じゃあ、学校裏のマンホールから入って、下水道を経由、北区の公園の駐車場のマンホールから出ましょう」 「なに逃亡者みたいな真似してんだよ。ただ買い物に行くだけだぞ。しげるは心配性だな」 カイジに可愛く笑われ、黙った。 カイジがこう言うなら仕方ない。 覚悟はしている。カイジが行くなら、たとえ地獄の果てでもついていくつもりだった。 保護者とはそういうものだ。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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