1/14ページ目 「じゃあ……オレに雇われないか」 アカギの目に初めて人間らしい色を見た。見開いた目は、心なしか楽しんでる気がする。 「あんたが……? オレたちの正体を見抜いたのは、褒めてやるが……、 一般人のあんたが報酬を払えるとは思えない」 確かに今は定職についてないし、元よりつく気もない……。 財布の中は札よりもポイントカードの方が多いくらいだ。 だけどオレにはまだ体がある。 体があれば何でもできるんだ。体を資本に金を稼ぐこともできるし、何なら一部を賭けてもいい。 この銃撃戦の中、美心やおっちゃんたちと無事に生きて帰るには……このアカギを味方につけることが最善策に思えた。 だからまずは……相手を信用させる。 「体で払う」 予想だにしなかったのか、アカギだけでなく銃撃戦が一時止まった。 スパイだか何だか知らないが、肉体労働は地下で馴れている。 ちょっとやそっとのしごきでへこたれるもんか。 「……キツいぞ」 「構うもんか………!」 オレを凍らせていた瞳がすっと細くなり、触れられるくらいに近づいてくる。 というか……触れていた。 唇が。 「?!」 心身を凍らせるような力のある唇に、抱かれた背筋がぶるっと震えた。 「な、な……な、なな」 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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