1/8ページ目 左肩の単純骨折、右上腕骨の割創。 単純に言えば、カイジの両手は使えない状態にある。 左肘はピクリとも動かないし、触っても冷たく石みたいだった。 逆に矢を受けた右肩は、傷自体が泣き叫ぶように熱を発していた。 その統合性の取れない痛みについていけず、ベッドの上にいるだけでも嫌になってくる。 24時間テレビのあと、黒服たちの襲撃に耐える頃には視界も途絶え、意識も手放していた。 気づいたら病院のベッドに寝かされていたというわけだ。 勿論そばにはアカギがいた。 ベッドの上は恐ろしく退屈な世界だった。 白く色彩のない病室、変わりばえしないその景色、退屈なテレビ……。出歩くことすら禁止されて、ここに押し込まれ続けて数日。 これならまだ一条の説教に付き合う方がマシだ。 大木を中からノミで削っていくように、カイジは中から精神が消耗していくのを感じた。 (あっつい……) 微熱か閉め切った病室のせいかはわからないが、額や患者衣の背中がじっとりと湿ってくる。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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