1/5ページ目 静かだ……。墓場みたいに。それにとっても寒い。 オレは死んだのか……? 思えば半端な人生だった。そこそこの仕事ができて、そこそこギャンブルで勝って…… 半端な理由はオレにもわかってる。 オレはいつでも安全地帯にいたからだ。一歩引いて安全地帯から虎穴を見守ってる。 危ない目にあってまで本気で何かが欲しいなんて、今まではなかった。 だけど今は違う。 オレはカイジさんが……。 「しっかりして!!」 頬に強い衝撃がしてオレは目覚めた。 目覚めると寒さに身体がぶるぶる震えた。 目の前には真理さんがいる。 気のせいか少し痩せたように見える。 真理さんは鼻血をぐいっと拭って、オレをすぐさま立たせる。 「死んだふりなんかしてる場合じゃないでしょ? マインドブレイクはアカギたちが持ってるのよ!」 ……はぁ? なんでそんなわかりきったことを言ってるんだこの人は。 オレは痛みに呻いた。左腕をまくると完治したはずの腕には、包帯が巻かれていた。 よくよく見ればオレはペンションシュプールの談話室にそっくりな場所にいた。 というかそのまんまだ。 白い壁にソファー、倒れた机に倒れたみどりさん。 あれ……? <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
[編集] |