殺意愛情
1/14ページ目


電車の中で偶然カイジさんを見つけた。
カイジさんは変わっていなかった。オレにも気づかないで、窓の向こうを見ている。

アイツさえいなければ、全てがうまくいっていた。
カイジだけ別室に落ちれば、オレらは二人とも助かっていたんだ。

カイジはそんなことすら忘れて、日々を暮らしているんだろう。
そして、古畑と安藤という名前さえいつしか忘れてしまう。
ギリッと歯をかみ合わせる。

そんなことは許せない。
あれは間違いだった、と本人の口から出るまで、 許せるわけないだろ……。

身から迸るような殺意に気づいた。その殺意は思いの外、心地よかった。


「チッ、何だよこの台! 全然出ねぇじゃねぇかよ!」

がんっとスロットマシンを叩く。
裏カジノに入り浸っても、事態は一向によくなる兆しが見えない。
詰まった排水口の上から水を流してるような毎日だ。
今はいいけど、汚物の詰まった排水口はやがて汚水を溢れさせてしまう。

こんなことをしていても、借金は一円も減らない。
伊藤カイジ。アイツさえいなければ……!


携帯が鳴って懐から出す。
画面に古畑と出て、ニヤリと笑った。

『安藤……。何なんだよ、オレに用って』
「やぁ、古畑さん久しぶり。実は耳寄りな情報があるんだよ」
『耳寄り……?』
「カイジさんを見つけたんだよ」
『そ、それがどうしたんだよ……』
「悔しくないの? あの人さえいなければ、今頃オレたちの借金はチャラだったんだよ?」
『……それは、そうだけど』
「復讐するんだよ、カイジさんに!」

「あのお客様、失礼ですが……」

携帯を耳から離すと、カジノの従業員が後ろにいた。

「失礼ですが、カイジさんって、伊藤カイジですか」

[指定ページを開く]

次n→ 

<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw

[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ