1/16ページ目 黒い絹のマントの上には少年が重なっていた。 棺につまずいたのか、大きな釣り目がちな目で見ている。 肢体は適度に筋肉がはっていて、柔肌の下のものが上等だとわかる。 こんなにいい匂いは初めてだ。 我慢できずに少年を背中から捕らえた。 細い身体は牙をあてると震えた。 ぷっと肉が破れて紅い雫が滴る。たまらない味だった。 下肢が熱くなる。力がみなぎってくる。 抵抗や悲鳴がないのに気づいて、アカギは少年を見下ろした。 少年は陶然とした目ですっかり力をなくしていた。 細い脚の間が丸く膨らんでいた。 (………) 吸血は麻酔効果がある。 だけど、吸血が快感な人間にはついぞ会ったことがない。 少年の身体の上に、指を走らせる。ある箇所で身体をしならせた。 すっかり渇きを忘れていた。 もう一度首に牙をあてる。少年の目から光が消えた。 「名前は」 「伊藤、カイジ……」 カイジは最後の力を振り絞って、腕から去ってしまった……。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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