1/4ページ目 リムジンが空き地についた。 そのせいで打席のカイジはストライクをひとつ見逃した。 「タイムタイム! 試合中止!」 「お〜いカイジ!オレも混ぜろよ!」 「げっ」 リムジンから降りたったのはリトルジャイアンツ和也。巨人軍のユニホームを着てる。 木製のバットにはイチローのサイン。ピッチャーグローブには沢村栄治のサインがあった。 オレはこの沢村のサインは偽物だと思ってる。 沢村はだいぶ前に戦死した。ピカピカのミットにサインができるわけがない。 出どころがアホーオークションなのが決定打だ。 「誰がお前とやるかよ! また審判買収する気だろ!」 「いいじゃないの。そんなケチくさいこと言うなよ。ホラ、ばっちこ〜い」 そう言ってダイヤに入った。マウンドのピッチャーを追い払ってしまった。 「和也!!」 「カーブにしよっかな〜。スライダーにしよっかな〜」 「な……何っ?!」 和也はストレートしか投げられないはずだ。 年下なのにカイジより頭ひとつ大きい。下半身もしっかりしてて、体格のいい和也のストレートは侮れなかった。 コントロールはないが。 (変化球だと? んなもん嘘に決まってる! 無視だ、無視……この嘘つき野郎! ………でも) カーブだけ、スライダーだけ覚えたのならありうる。 和也は負けず嫌いだ。権力が関係ないこの野球も嫌いではないみたいだ。 カイジはカーブが打てなかった。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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