1/13ページ目 今日もアイツは外を見ていた。 隣にはオレがいるのに見ようともしない。 カイジをずっと船に繋ぐにはどうしたらいい? 名字が一緒になったら、指輪でも買えばいいのか? そんな訳がない。 アイツはいつも自由で。地位も権力も関係ない。 今朝見た夢が脳裏に焼きついていた。 このままじゃ、いつかカイジは船を降りてしまう……。 気づけばモール街の奥深くにきていた。付き人の姿はどこにもない。 迷子か……。縄をつけておくべきだったな。まったく、鈍臭いやつ……。 しばらく待つもカイジはこなかった。 ショーウィンドウにゆらりと顔が写り込む。何とはなしに冴えない顔をしてる。 その奥にパンダが座ってるのが見えた。 目を擦って見直す。カウンターには……やっぱりパンダ。 店前には柱時計たちが置かれていた。パンダは古めかい家具に囲まれている。 立て看板には『海賊の戦利品』と英語であった。 中は薄暗かった。木でできた壁や床は、昔の船倉みたいだ。 アンティーク独特の香ばしい、甘い匂いがした。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
[編集] |