BADEND-三人で〜
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伝説ってヤツと、今オレは対峙してる。
どんな仕事も完璧にこなし、匂いすら残さない。冷酷非道の諜報員……。それがかまいたち。

「アンタとオレは……契ったはずだ」

だけど、何か……ちょっとおかしい。
光の無かったアカギの目は、今はオレをまっすぐに射止めてる。
閑散としたスキー場、冷たい空気はアカギの肌を尚更白く見せていた。
頬だけが赤い。

「千切る?ちぎるって、なにを」
「だから、その……アンタとオレは……夫婦ってこと……」
「は?」
「カイジさん、オレと来いよ」

冷酷なスパイの手も言葉も、今は人肌程度にあったかい。
長野の寒空で、この手の暖かさはちょっと抵抗しがたい。

だけど……今なんて言った? これが小説やサウンドノベルなら、バックログを読み返してるぞ。

「あっ?!」

捲ってきた左腕に唇が落ちてきた。思わず後ろへと飛びすざった。
おかしい。傷もないのに、左腕がキシりと痛んだ。じくじくと後を引く痛みに顔をしかめる。

「テメェ……!! カイジさんに触るな!!」

後方で待機してるはずの平山くんが、全速力で雪を蹴たてて走ってきた。
鼻は赤いし、手も冷えきってる。セーター一枚で飛び出してきたのか。
懐炉がわりにと平山くんの手を握った。
平山くんの目尻はデレっと見るからに下がった。

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