1/16ページ目 宇海零の端正な顔には陰りがあった。 白衣を羽織って、カイジを手当てする姿には心なしか怒りがみえた。 「アカギさんか和也くん、どっちに苛められたの?」 両方とは言いがたい。 苛められてる時に、どこからかサッと現れて助けてくれる。 宇海零はそんなやつだった。 優等生で、島で唯一の診療所の息子。 同じ男として、ちょっと引け目を感じるくらいのサラブレッドだ。 「苛められたんじゃねぇよ……ケンカだ、ケンカ」 「一方的な暴力はケンカとは言わない」 「………」 「オレから離れちゃダメって言ったろ。カイジさんはオレが守ってあげるんだから……!」 こうやっていつも子供扱いするから、オレは頼ってしまうんだ。 「チッ……。早く大人になって島をでたいな……島をでれば……」 「……島をでる?」 包帯を切っていたハサミが木の床に落ちた。 「またオレから逃げるの? カイジさん」 「え?」 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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