1/14ﾍﾟｰｼﾞ目 おもに女子職員に。 仕事もできて、そこらの女性よりも綺麗な才色兼備の班長、一条。 ジャニーズ顔で正義感溢れる好青年、宇海零。 ミステリアスなクールフェイス、アカギしげる。 見渡せば乙女ゲームのようなメンツだ。 「ねぇ、利恵は誰が好きなの？」 調査庁。正面玄関脇のカフェには珈琲の匂いが漂っていた。 利恵は珈琲から顔を上げた。 「私……？」 「やっぱり、一条さんでしょ？経済力ありそうだし……」 「零さんに決まってるわよ。この前、落としたコンタクトレンズを一緒に探してくれたのよ」 「アカギさんよ。あの女性に興味なさそうな、ストイックさがいいのよ！」 「室長が一番よ。危険な雰囲気があって……」 「アカギさんよ」 「一条さんよ」 世は婚活乱世。エリート公務員に同僚たちが熱をあげるのも仕方ない。 だが利恵は興味なかった。 思いうかべる異性といえば弟だけだ。 回答を避けて、安直な笑いに逃げてしまう。 「……カイジくん」 笑いがとんだ。 みんな腹を抱えて大笑いしてる。 「ないない！有り得ないから！」 「無愛想だし」 「貧乏」 「暗いのよね～」 彼が彼女らに何をしたのか。 正直彼に同情した。 「利恵、今度の取材は特調へ行くんでしょ」 「ええ……。彼らの仕事を記事にする予定」 利恵は庁内の広報誌公安一報の記者だ。 広報誌など誰も読まないし、職員は二人しかいない窓際部署だ。 「それじゃダメなのよ！」 「え……」 「読者が知りたいのはね、アカギさんのプロフィール！ アカギさんの好きな女性のタイプ！」 「え……」 「アカギさんには彼女がいるかってことだけ！」 「そんなこと言われても……」 「いい、利恵。アカギさんのプロフィール開示は全女の悲願なのよ」 「………」 「バイト代出すから。ね？ お願い」 ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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