1/11ページ目 有り余る愛情を持てあましてた。 弟に対してだ。 長年段階を踏んで、オレの愛情と母さんのコメントも変わっていった。 『しげるは弟が好きなのね』 当たり前。こんな純粋な奴いるか? オレのあとをついてくる、小さくて頼りない奴。 きらきらした目。 可愛い奴。 『ちょっと弟が好きすぎるわね』 脇の下からカイジを抱えあげて、額にキスした瞬間。 好きで悪いか……? オレが一番弟を上手く導ける。 『カイジに構わないで』 弟を抱っこして一時間。 飽きもせずに髪を撫でてる時だった。 母さんの存在を完全に忘れていたので驚いたのを覚えてる。 『弟から離れて暮らせ』 この時すでに、カイジは情緒不安定になってた。 オレの前では怒られてはならないと緊張からか、よく失敗する。 暗闇を怖がる。 オレに触られると震えて声がだせない。 オレは一時、カイジを手放すしかなかった。 内向的で泣き虫な弟。そんなカイジを作ったのは他でもないオレ自身だ。 つまり、オレがいないと弟は生きていけないってこと。 オレは弟を養う義務がある。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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