1/13ページ目 玄関にひっそりと繋がれた姿を思うだけで楽しくなる。 帰ったら泣いて喜ぶはずだ。甘えてくるに違いない。 そうしたら、風呂に入れてやって。汚れた身体を洗ってやる。それでもって一緒に眠る。 アカギの煙草はかなり短くなっていた。灼けついた灰が知れずに床へと落ちる。 一条が険しい顔で特調に入ってきた。喪服の集団が後ろにつづく。 「アカギくん。こちらは、在全無量のお子さんたちだ」 「助けてください……! 私たち、宇海零に殺される……!」 「宇海に……?」 在全無量は闇ギャンブルの主催者。すでに故人だ。 怪死だったわりに、ニュースからはすぐに消えた。 在全数絵と名乗った女は語りだした。 「父は宇海零に殺されたんです」 「……」 「……在全は当時、零くんにギャンブルで敗れて死んだ。 そういう、噂だ。 他のドリームキングダム社員も全員殺されてる」 「……でもどうして今更、在全の子たちを……?」 「もうすぐ……遺産が分配されるから……。 ドリームキングダムに眠る、遺産を私たちが手にするのが宇海は許せないんです……」 「遺言書にはドリームキングダムに遺産を隠したと書いてあった」 アカギは資料をめくる。 ふとテレビのモニターに映るものに釘づけになった。 己の心を捕らえて離さない顔。炎がたつような。 カイジがベッドに眠っていた。その横には宇海零。 遊園地の遠景がつづいた。 『たった今、入った情報です。 義賊の零はすべての悪を許さない。すべての在全を殺す……との……』 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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