1/1ページ目 「バクラくん、おはよー!」 「おはよう、遊戯くん」 (ああ、やっぱりだ……) 宿主サマは遊戯が好きらしい。 遊戯が話しかけてくるたびに鬱陶しい感情がこみ上げてくる。 (しかし、コイツのどこがいいんだ……ただの餓鬼じゃねーか) 宿主のヤツ、変態だろ……。 ちらちら見てると、遊戯は小首を傾げて笑いかけてくる。 (チッ……脳天気なヤツ) 無邪気な笑顔を見てると滅茶苦茶に壊してやりたくなるぜ。 「わぁ!」 「バクラくん、大丈夫?」 宿主のヤツ、横ばっか見てて転びやがった。 本当鈍くさいぜ……。 オレは人格を乗っ取った。 遊戯の手を取ると小さくて餓鬼みたいだった。 大きな目が心配げに揺れる。 途端に胸が高鳴る。 (チッ……面倒くせぇ) ■ (コイツマジでむっつりだな) 体育の着替え中、宿主はじっと遊戯の着替えを眺めていた。 おかげで鼓動が激しくて仕方ない。 オレ様は溜め息をついた。 (そんなに好きなら襲えばいいだろうが) オレは遊戯のあとをぴったりとつく。 人気のない所で手をのばす。 遊戯が振り返った。 「どうしたの? バクラくん」 「……」 (生足かよ……) 他のヤツらはみんなジャージを履いてるのに、何でお前だけ短パンなんだよ。 身体がかっと熱くなる。 オレ様は唾を飲み込んだ。 「ちょっとこっちに……いいかな?」 「うん」 体育倉庫にオレらは入った。 遊戯の手首を引っ張ってマットの上に突き倒した。 「遊戯……千年パズルもなしに油断しすぎだぜ……」 「き、君は……バクラくんの裏人格!」 「おっと、暴れたり騒いだら宿主サマを傷つけるぜ……お前の大好きな宿主をよ……」 「ぼ、ボクに何の用なの?」 「……どうやら宿主はお前が好きらしい」 「ぇえ!? ボク男だよ!」 「んなの見りゃわかんだよ! 来い、遊戯」 手招きすると、遊戯はオレの膝に躊躇いがちに乗ってくる。 撫でる身体が柔らかくて戸惑う。少年らしい骨格はあるものの、これじゃ完全に餓鬼だぜ。 浅くしたキスに満足できずに、オレは遊戯を押し倒して深くやりなおす。 小さな舌を吸って麻薬みたいな甘さを楽しむ。 「おーい、遊戯ー! ここにいんのか?」 「じ、城之内くん」 「なにしてんだよこんな所で」 「何もしてないよ!」 遊戯は赤くなって立ち上がる。 オレ様はその手を取って身体を引き寄せる。 最後にキスをした。 「行けよ……遊戯。オレに食われないうちにな……ククク」 遊戯はロボットみたいな動作で倉庫から出て行った。 ……アイツ。宿主のこと好きだろ。 それとも、オレ様が好きなのか? [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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