1/7ページ目 「ククク……燃えろ燃えろ!!」 燃えさかる村にユウギはいた。 白い髪の盗賊の哄笑が炎の中を響き渡った。 日干し煉瓦の壁は崩れてユウギの身体にのしかかっている。 巨大な翼を持つ精霊獣がゆったりとこちらを見る。盗賊は瓦礫の下のユウギを見つける。 「そこにまだいやがったか……」 (ボク……死ぬの……?) 盗賊が初めて歩みを止める。炎の中揺らめく陽炎に目を奪われている。 「なんだ……この精霊は……」 (死にたくない……) 盗賊は村の向こうに立ち上る砂煙に気づいた。 兵士たちが馬を駆って近づいてくる。 舌打ちして指笛で馬を呼ぶ。 「面白ぇじゃねぇか……テメェの精霊に免じてちょっとは生かしておいてやるよ」 「くっ……」 煉瓦は熱を孕み辺りは鍋の底のようだった。 ユウギの視界は暗くなる。辺りは炎に囲まれてる。 もうダメだ。 瓦礫が崩れ落ちる中、黄金の装飾と外套をまとった少年が現れた。 琥珀色の肌に紫水晶のような目。一瞬も目が離せない。 少年はユウギを担いだ。 「もう大丈夫だ」 その笑顔は誰よりも優しかった。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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